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◇ ワイパーブレードゴムへのダイヤモンドライクカーボン薄膜の成膜

 ワイパーを長年使っているとブレードゴム表面の摩耗により、作動時にビビりが発生することがある。これを防ぐために用いられている手法として塩素処理がある。1つの容器に大量のブレードゴムを投入し塩素を含んだ処理液に漬けることで、ゴム表面の組成を破壊し、新たに硬質な表面を得ることによって高い滑性を得ている。通常はこの工程の後にブレードゴム表面に有機溶剤を吹き付け、コーティングすることにより耐久性を高めている。この手法により、ブレードゴムは様々な地域での使用に耐え得る高い払拭性、静粛性、耐久性を有する。しかし、大量の塩素を用いるブレードゴムの塩素処理には環境負荷が高いという問題点があるため近年問題視されていた。

 そこで当研究室ではDLCによる新たな処理手法の確立に着目している。従来用いられている塩素処理とコーティングをDLCコーティングにより代替することが目的である。これにより環境負荷の低減が望める。DLCは高い滑性等様々な優れた性質を有することからブレードゴム処理に適するだけでなく、大気圧下での合成を行うことで大面積処理や低コスト化が可能であることから今後の期待が高まる。

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