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自動車部品

◇ シリカ系薄膜を用いた自動車用フロントウィンドウをはじめとした内外装部品の樹脂化

 ポリカーボネートは熱可塑性プラスチックの一種である。ポリカーボネートは特に耐衝撃性に優れており、加工に適しているため幅広い分野で利用されており、その一つとして自動車用ガラスの代替品として期待されている。自動車の窓にポリカーボネートを用いることで安全性向上、環境性能向上、快適性向上などが見込まれる。一方で、ポリカーボネートは傷がつきやすく、傷により視認性が低下してしまう欠点がある。そこで、実用化するためには表面を保護する必要がある。その手法としてシリカ系薄膜に着目した。

 シリカ系薄膜はSi-O-Si結合を主骨格として、そこにCやHが結合した非晶質な機能性薄膜であり、二次元構造と三次元構造が混在した構造となっている。主体となるSi-Oの結合エネルギーが大きいため、化学的・熱的に安定であり、高硬度、耐摩耗性、光透過性といった優れた特性を有している。そのため、材料表面に合成することで、視認性を確保しながら耐摩耗性を付与することができ、ポリカーボネートの表面保護に適している。

 成膜手法としては、自動車部品の複雑な形状や分厚い基材に対応するため、リモート式の大気圧プラズマCVD法を採用している。

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