自動車部品
ポリカーボネートは熱可塑性プラスチックの一種である。ポリカーボネートは特に耐衝撃性に優れており、加工に適しているため幅広い分野で利用されており、その一つとして自動車用ガラスの代替品として期待されている。自動車の窓にポリカーボネートを用いることで安全性向上、環境性能向上、快適性向上などが見込まれる。一方で、ポリカーボネートは傷がつきやすく、傷により視認性が低下してしまう欠点がある。そこで、実用化するためには表面を保護する必要がある。その手法としてシリカ系薄膜に着目した。
シリカ系薄膜はSi-O-Si結合を主骨格として、そこにCやHが結合した非晶質な機能性薄膜であり、二次元構造と三次元構造が混在した構造となっている。主体となるSi-Oの結合エネルギーが大きいため、化学的・熱的に安定であり、高硬度、耐摩耗性、光透過性といった優れた特性を有している。そのため、材料表面に合成することで、視認性を確保しながら耐摩耗性を付与することができ、ポリカーボネートの表面保護に適している。
成膜手法としては、自動車部品の複雑な形状や分厚い基材に対応するため、リモート式の大気圧プラズマCVD法を採用している。
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