自動車部品
一般に、非常に細かい粒子であるナノ粒子は凝集しやすい。化粧品などのナノ粒子を溶媒に分散させた製品において、安定に分散した状態を保つことがもとめられる。薄膜コーティングによって、表面の極性を均一にすることで分散性を高める効果を期待できる。
この他にも、粉体の劣化防止や、有機合成色素などが持つ皮膚刺激性の低減などコーティングよる機能性向上が狙える。
当研究室では、大気圧プラズマCVD法を用いてナノ粒子に成膜を行う研究を行っている。従来粒子の成膜に用いられているゾルゲル法に比べ、大気圧プラズマCVD法による成膜は短時間で処理が可能である。
プラズマ CVD 法は一般的に 10 Pa 以下の低圧下で成膜を行う.しかし圧力を下げる過程においてナノ粒子が吹き飛ぶため,低圧条件においてナノ粒子に対して成膜を行うことはできない.そのため、大気圧条件における成膜の実現が求められる。
近年、化粧品や食品などに含まれるナノ材料の規制を強化する動きが欧州を中心に高まっている。「ナノ材料」とは、粒子の多数がサイズの大きい粒子に比べて、拡散性・透光性に優れているナノ粒子である材料を指す。そのため化粧品や塗料インキにはナノ粒子が多く使用されているが、ナノ粒子による環境問題や人体への影響への懸念から今後規制が高まることが予測される。
当研究室では、環境問題に対応した高品質のナノ材料製品開発に向けて研究を行っている。現在の粒子のサイズ分布測定方法は、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて取得したナノスケールの画像から材料全体の粒子数とナノ粒子数の割合を出す方法である。この方法の精度を高めると共に、より簡便で同等の効果を持つ測定方法の確立を目指し、効率的なナノ材料の製品開発に向けた取り組みを行っている。
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